血便

血便とは

血便 イラスト排便時の出血のことで、赤い血がポタポタ出てくる、便が赤っぽい、拭いた紙に血液が付着している、赤黒くて粘り気のある粘血便、コーヒー残渣様の真っ黒いタール便(黒色便)が出る、便に血液や粘液が付着している、目に見えないほど微量の血液が便に混じっている(便潜血検査陽性)などまで幅広い状態を含みます。便に血液が含まれるということは、消化管(肛門も含めて)のどこかから出血を起こしているということです。原因には、痔から大腸がん、胃潰瘍など、さまざまな疾患の可能性があります。重大な疾患を早期に発見するためにも、血便に気付いたらできるだけ早く消化器内科を受診してください。当院でお願いしているのは、本当に血便かどうか、今はスマートフォンで簡単に写真が撮れる時代ですから、写真を撮ってきてください。大変参考になります。くれぐれも衛生的な意味でも、実物は持ってこないでください。診断に不要ですし、不潔です。

血便の種類

鮮血便

鮮やかに赤い血液が付着している場合には、肛門や直腸から出血している可能性が高くなります。痔では鮮血便を生じることが多く、多くは紙に付着する程度から正常便に血液が付着する程度の赤く鮮やかな出血のことが多くなっています。直腸がんや直腸ポリープなどでも鮮血便が起こりますが、痔核に比べると実は出血量が少ない傾向があります。頻度は、たまにから多いと1週間毎日まで様々です。

暗赤色便・粘血便

血液が便に混じって便全体が赤黒い状態です。大腸の奥、小腸に近い部分からの出血が疑われ、小腸潰瘍などの可能性もあります。暗赤色便で疑われる疾患には、大腸憩室出血、虚血性大腸炎、感染性大腸炎(出血性腸炎)、潰瘍性大腸炎、大腸癌などがあります。なお、大腸憩室出血は血管から出血してかなり大量の出血が短時間に起こることがあります。

タール便(黒色便)

胃や十二指腸など上部消化管から出血すると、真っ黒いタール便を生じます。例えるとコーヒーの粉を濾した後のコーヒー残渣様で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を疑います。胃酸により血液が酸化して独特の黒い便になりますので、すぐに分かります。また、まれに貧血治療で鉄剤を服用していると、黒い便が出ます。ただこのときは真っ黒というより黒っぽい便で、タール便とは異なります。院長が過去に1例だけ経験したことがありますが、イカ墨を利用した食事(イカ墨スパゲッティでした。)の後も黒い便が出ます。救急外来にきて大騒ぎでしたが、問題がなかった症例です。

潜血便

目では確認できないほど微量の出血がある状態です。大腸がんのスクリーニング検査として健康診断などで広く行われている便潜血検査によって判明します。陽性の場合、精密検査を受けた結果、最も発見されることが多い疾患は痔ですが、30~40%に前がん病変の大腸ポリープ(腺腫)が認めるため、指摘されたら必ず大腸内障内視鏡検査を受診してください。当院では、検査中に見つけた大腸ポリープは、その場で切除しますので将来の大腸癌の予防になるクリーンコロン化を行います。

血便があった際の検査

問診

血便の量や色、状態で出血部位をある程度絞り込めます。問診では血便の量・色・性状などの状態、腹痛の有無、発症の経緯などについてうかがいます。

直腸診

今現在の出血や大量の出血が疑われるときは、直接、肛門にプラスティック手袋を装着して、肛門周辺や直腸の検査を行います。医療用麻酔ゼリーをたっぷり使い、腫れや腫瘤などの有無や状態を指診によって確認します。

血液検査

全身状態や機能に問題がないかを調べます。また、貧血の有無も確認します。また腸炎などによる炎症の程度も知ることができます。

腹部超音波検査

超音波による安全で何度でも行える検査です。腸の炎症や虚血が疑われる場合に、腸管のむくみなどを外来で簡単に確認できます。

大腸内視鏡検査

大腸の疾患が疑われる場合に行う検査で、大腸全域の粘膜を詳細に確認でき、疑わしい部分の組織を採取してさまざまな疾患の確定診断が可能になります。また、前がん病変の大腸ポリープは、発見したその場で切除できるため、将来の大腸がん予防につながります。

胃内視鏡検査

胃カメラ黒いタール便がある場合には、食道・胃・十二指腸といった上部消化管からの出血が疑われます。胃内視鏡検査では、食道・胃・十二指腸の粘膜を詳細に観察でき、疑わしい組織を採取して確定診断が可能です。また、潰瘍などからの出血量が多い場合には、検査中に止血クリップによる処置や局所注射も可能です。

血便の治療について

原因をしっかり見極めて、それに合わせた治療を行うことが重要です。

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