胃がん

胃がんとは

腹痛近年の傾向として日本における胃癌の死亡率、罹患率はともに減少傾向ですが、高齢化社会を反映して、癌のなかでは死亡数(2018年)は男性で第2位、女性で第4位、罹患数(2017年)は男性で第2位、女性で第4位です。昔から日本人の発症が多いがんであったことから、発症メカニズムやリスク、予防、早期発見、治療についての研究が進んでいます。世界的にみると,日本は韓国に次いで胃癌の罹患率が高く、胃癌治療に関する多くの情報は、日本や韓国から発信され,日本胃癌学会編集の「胃癌取扱い規約第15版(2017年10月)」「胃癌治療ガイドライン第5版(2018年1月)」は世界各国で参照されていて、日本は、胃癌の診断や治療においては世界でも最先端の先進国です。現在は早期発見できれば胃癌は完治ができるがんの代表例です。特に日本の上部内視鏡検査による胃癌診断と早期胃癌に対する内視鏡治療は、世界でもトップクラスです。胃がんは、胃粘膜の細胞ががん化し、胃壁の深部へ進行していきます。進行して粘膜の外側にもがんが広がると、離れた臓器への遠隔転移やお腹の中にがん細胞が広がる腹膜播種を起こす確率も高くなってきます。胃がんの多くを占めるのは腺がんであり、分化型と未分化型に大きく分けられます。なお、未分化型腺癌が進行すると比較的多いとされるスキルス胃がんは、胃壁を分厚く、硬くしながら進行するタイプで、進行が早いとされています。

胃がんの原因

胃がんの原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が最も大きなリスクファクターになっています。ピロリ菌に感染すると慢性的な胃炎を起こし、炎症が進行すると胃粘膜が萎縮する萎縮性胃炎を発症します。萎縮性胃炎は萎縮が進めば進むほど胃がん発症リスクが高い状態になり、さらに萎縮が進むとピロリ菌も生息できない環境になるため、ピロリ菌感染自体が自然治癒して、感染検査を行っても陰性になることがあります。ピロリ菌の感染は井戸水などを介して幼少期に感染すると考えられているため、上下水道が整備された現在では感染は減少傾向にありますが、現在も感染者数が高齢者を中心に多い状態が続いています。ピロリ菌は除菌治療の成功によって除去が可能です。これによって慢性炎症による萎縮性胃炎の進行を効果的に予防できます。萎縮性胃炎の進行は胃癌のリスクを上昇させますが、萎縮が進んだ場合と比較して、萎縮が進まない早い時期での除菌治療の方が、胃癌のリスクが少ないとされます。従ってピロリ菌感染が陽性と分かったら早い時期での除菌治療をおすすめしています。

胃がんの症状

早期胃がんでは症状を起こすことがほとんどなく、進行してもあまり症状を起こさず、他臓器に転移した先で症状を起こしてはじめて発見される場合もあります。症状が起こる場合にも、食べ過ぎなどで起こる胸やけ、胃痛、吐き気、食欲不振などがありますが、市販薬でこうした症状が一時的に改善できるため、気付かずに進行させてしまっているケースも珍しくありません。また、逆流性食道炎や胃炎、胃潰瘍を疑う症状などで受診し上部内視鏡検査を受けて、偶然に胃がん発見に至ることもよくあります。慢性的な症状がある場合には、できるだけ早くご相談ください。

当院の胃がん検査

胃癌疾患のページの写真(修正版)当院では、微細な早期胃がんの発見が可能なオリンパス社製の高性能の最新内視鏡システム「EVIS X1」を導入しています。またスコープも拡大観察が可能なGIF-XZ1200を千葉県のクリニックでは初導入し、これまでの290シリーズのスコープとともに、内視鏡画像強調観察である特殊光のNBI(narrow band imaging)と併用することで、がんが周囲に集めるに特有な毛細血管の増成と表面構造の観察が可能で微細な早期がんの発見も可能にしています。そのほか炎症の程度の評価や病変の早期の拾い上げの精度向上に効果が期待されている新しい特殊光であるTXIも導入し、最先端の内視鏡機器の導入と、院長をはじめ、当院の内視鏡検査を行う医師は日本消化器内視鏡学会専門医・指導医が内視鏡検査を担当し、高い技術力の融合が、これまで多くの早期の段階の胃癌発見を可能としてきました。
さらに軽い鎮静剤、鎮痛剤の静脈投与を安全に用いることでリラックスした状態で楽に内視鏡検査を受けていただけるようにしています。疑わしい部分の組織を採取して病理検査を行い、5mmの早期胃がんも見逃さない精密さで、胃がんをはじめ多くの胃疾患の確定診断が可能ですから、適切な治療にすばやくつなげることができます。

胃がん_通常光ハイビジョン観察        通常光ハイビジョン観察
胃がん_NBI観察          NBI拡大内視鏡観察
 

治療

胃癌の診療においては、浸潤が粘膜下層(SM:submucosa)までの癌を早期癌とよび、浸潤が固有筋層(MP:muscularis propria)以深のすべての癌を進行癌とよびます。

内視鏡治療

早期胃癌に対しては、粘膜内、または粘膜下層浅層までは、内視鏡治療(ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術)の適応です。ESDは、今や標準治療と言えるまで発展しましたが、その前までは、10㎜をこえると一括切除することが難しく、分割して切除する方法しかありませんでしたが、内視鏡処置具の発展と治療技術の進歩によりESDが胃癌の内視鏡治療の標準治療となりました。分割切除の問題点は、遺残再発率の高さにありました。ESDは、病変の周囲の正常な部位も含めて、充分なマージンを取って、病変を確実に一括に切除します。切除した病変は、顕微鏡を用いた病理検査で十分に完全に検査し、治療の完璧姓(根治度)を判定出来るため、その後の経過観察や、治療方針もより確実になり、適切な治療が行われた場合、遺残再発はほぼあり得ません。早期癌でも粘膜下層深層(0.2mmの浸潤)や2cmを超える未分化型腺癌、3cmを超える瘢痕を伴う分化型胃癌などは、ESDではなく外科治療が確実な治療法になります。

外科手術

ESD適応外の早期胃癌や進行胃癌に対しては外科手術が標準治療です。

胃切除

切除する術式は、がんのある部位と病期(ステージ)の両方から決めます。胃の切除範囲によっていくつかの術式があり、代表的なものは、胃全摘術、幽門側胃切除術、幽門保存胃切除術、噴門側胃切除術です。

リンパ節郭清

胃切除の際に、胃の周囲にあるリンパ節も切除します。胃のすぐそばのリンパ節と、胃から少し離れたリンパ節を合わせて切除する「D2リンパ節郭清」が標準的に行われます。早期胃癌では郭清するリンパ節の範囲を狭くした手術を行います(D1またはD1+郭清)。近年では胃癌の外科手術も、開腹手術よるも、回復が早い腹腔鏡手術が、最先端のがん専門施設中心に行われています。

化学療法(薬物療法)

根治手術後の再発予防を目的とした「術後補助化学療法」と、遠隔転移がある場合など、外科手術によりがんを根治することが難しい場合や、がんが再発した場合に行う「手術不能進行・再発胃がんに対する化学療法」があります。

当院は、胃癌と診断したら、日本を代表する最先端のがん治療を行っているがん研有明病院や国立がん研究センター東病院とシームレスにご紹介できる連携体制を構築しており、ただ診断するのみならず、それぞれの段階で、ベストな胃癌治療を受けられるようにしております。

胃がん症例

胃がんの内視鏡診断について

胃癌の診断は、まずは白色光で見つけ出す事が大切であり、その際に高解像度の内視鏡が有用です。 インジゴカルミンの色素を散布することでさらに病変の視認性を向上させます。 病変に対して胃癌を疑った場合、NBI併用の拡大観察を行い、VS classification を用いて癌か否かの判定 が可能です。これら一連の胃癌の拡大内視鏡診断アルゴリズム(MESDA-G)にしたがい早期胃癌の診断 を確実なものにしています。

早期胃癌 11×8mm 0-Ⅱa 深達度 M tub1 (分化型腺癌)

白色光観察像白色光観察像
NBI非拡大観察像NBI非拡大観察像
NBI拡大観察像1NBI拡大観察像1
DL:デマルケーションライン(+)
Irregular MV pattern
Irregular MS pattern
NBI拡大観察像2NBI拡大観察像2
Irregular MV pattern
Irregular MS pattern
インジゴカルミン色素散布観察像インジゴカルミン色素散布観察像
 

早期胃癌 8×7mm 0-Ⅱc 深達度 M sig(印環細胞癌:未分化型腺癌)

白色光観察像(遠景)白色光観察像(遠景)
白色光観察像 (近接)白色光観察像 (近接)
インジゴカルミン色素散布観察像インジゴカルミン色素散布観察像
NBI非拡大観察像NBI非拡大観察像
NBI拡大観察像1NBI拡大観察像1
DL(+)
Irregular MV pattern
Absent MS pattern
NBI拡大観察像2NBI拡大観察像2
Irregular MV pattern
(コークスクリューサイン陽性)
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